ベルギーとオランダの分割主義~第4章~

フランス人のジョルジュ・スーラは、過去の巨匠達の絵画の色彩表現に強い影響を受けていました。17世紀バロック期のスペインの画家で、「無原罪の御宿り」のバルトロメ・エステバン・ムリーリョ、18世紀ロココ時代のフランスの画家アントワーヌ・ヴァトーの代表作は「シテール島の巡礼」などです。そしてその中でもとりわけフランスフランス19世紀ロマン主義を代表するウジェーヌ・ドラクロワは『民衆を導く自由の女神』などの作品で特に知られていますが、ドラクロワの作品は劇的な画面構成と、見事に華やかなで華麗な色彩表現が、後のルノワールやゴッホといった多くの作家に影響を与えました。

ベルギーとオランダで熱狂的に迎えられる

もちろん、ジョルジュ・スーラーも過去の巨匠達から色彩表現に強い影響を受けていました。そして印象派たちの「感覚的」な筆触分割では物足りなくなり、独自の色彩の研究に没頭して科学的な知識に基づいて色彩のグラデーション、コントラストを念頭に置き、純粋な小さな点で画面を埋め尽くしていき、違った色が網膜の上で混色を起こすことで、それぞれの各色が融合してひとつの色に見えるように描くという、スーラー独自の点描技法を開拓して発展させていきましたが、31歳という若さで急逝したためシニャックはスーラーを失った心の傷を癒すために南フランスに移り住み、シニャックは画法も点描から色彩のコントラストを生かしたタッチに画風が変化しています。そしてフランスでは分割主義を作り上げたスーラーの急逝で、分割主義を広めたシニャックもパリから南フランスへ移り分割主義はフランスでは行き詰まっていました。その一方で、フランスからみれば北方にあるベルギーやオランダで熱狂的に受け入れれました。

オランダとベルギーの新印象派の画家たち

ヤン・トーロップ、ヘンリ・ファンデ・フェルデ、アルフレッド、フィンチ、ジョルジュ・モレン、テオ・ファン・レイセルベルヘ、ジョルジュ・レメンなどが、オランダとベルギーの新印象派の画家たちです。

大富豪のアント・クレラの夫人、ヘレーネ・クレラー=ミュラーは1905年から美術品の収集を夫と共に始めていますが、ヘレーネが美術に関して教養深めたきっかけがあります。

画家で、美術教師でそして美術評論家のヘンドリクス・ペトルス・ブレマーが裕福な人々を対象にした美術鑑賞講座をヘレーネが娘と受講したときのことでした。ヘレーネは、ブレマーの講座に大いに刺激を受けることになり、ヘレーネは自分で美術品の収集を始めました。ブレマーは作品それぞれを歴史的な文脈から切り離して、作品そのものから受ける美的な感情をとても重視しました。ヘレーネが一番最初に購入した作品は1907年ポール・ゴーギャン「汽車のある風景」です。

ブレマーはやがて毎週ごとにヘレーネ夫妻の自宅を訪れ個人的にアドバイスをするようになり、やがてクレラー=ミュラー夫妻に同行して、画廊、アトリエなどはもちろんのこと、クレラー=ミュラー夫妻からの依頼を受けて、オランダ国内外のオークションなどにも頻繁に足を運ぶようになりました。ブレマーは、分割主義の画家たちスーラやシニャックをとても高く評価していたため、ヘレーネは自身の収集作品の購入方針を定めて、分割主義のコレクション収集するようになりました。

ヤン・トーロップ

オランダ人の画家ヤン・トーロップはいろいろな画風を持つ画家です。画風も点画からやがて象徴主義になり、アール・ヌーヴォーにまたがる画風になっています。ヤン・トーロップ自身がとても好奇心が旺盛で、新しい技法に貪欲だったため、いろいろな画風があると思われます。

ヤン・トーロップはジャワ島で生まれて少年時代をジャワ島で過ごしています。14歳の時にオランダへ移住して、アムステルダムとブリッセルのアカデミーで学びました。アカデミーで学んでいた時に、ベルギーのジェームズ・アンソールたちに出会い、サンボリズムなる世紀末芸術の洗礼を受けました。

そのため、ヤン・トーロップの絵画には同じ画家が描いたとは思えないほど、異なる様々な絵画になっています。少年時代をおくったジャワの影響を受けながら、イギリスではウィリアム・モリスや、ラファエル前派の影響を受けて、そして1885年に旅行にいったケルト美術にも傾倒しているため、ジャワやケルトそして、アンソール、モリス、ロゼッティの影響が複雑にからみあっています。

ヤン・トーロップの画家としてスタートしたのは、写実主義の画家としてですがそれから、印象派、新印象派の影響を強く受けたことで、点描作品に挑むようになります。そして点描で沢山の作品を描いています。彼の後の代表作は「3人の花嫁」が特に知られていますが、3人の花嫁は点描ではないため展示されていませんがオランダのクレラー=ミュラー美術館へ行けば、展示されています。

20世紀最大のコレクションのクレラー=ミュラー美術館所蔵作品が来日!点画主義にフォーカスした美術展

20世紀最大のコレクションのクレラー=ミュラー美術館所蔵作品が来日!点画主義にフォーカスした美術展 イメージ